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ヒトラーはベジタリアンだったのか?  「絶対得するビーガン&ベジタリアン」5

vegita974

ヒトラーはベジタリアンだったのか?

 「絶対得するビーガン&ベジタリアン」5 




 菜食主義者になったヒトラー

──ヒトラーがベジタリアンだったって、本当ですか?

 本当と言えば、本当です。本人がそう決意したきっかけを明らかにしています。

 ヒトラーの愛人は一般的にはエヴァ・ブラウンということになっていますけど、彼が本当に愛したのは、姪のゲリ・ラウバルだったようです。

 彼女はヒトラーが政治の舞台で忙しくなり始めた1931年9月に自ら命を断っています。「独裁者の隠された血筋」と副題のついたヴォルフガング・シュトラール著『アドルフ・ヒトラー一族』(草思社)の中で、ナチス全国経済委員ヴォーゲナーに対して語ったというヒトラーの言葉が紹介されてます。

「私の心のそばにいてくれた一人の女性の愛しい手がどんなに大切だったか、そしてその女性が私にいつも心を配ってくれていたことが私にどんな意味があったか、彼女を失った今にして私はようやく知った」

 彼女を失ったことで、結婚観も変わったという彼は「結婚をあきらめることによって何をあきらめねばならないか、それが今ようやく感じられるようになった。私はあきらめねばならないのだ」と語り、同書には次のように記されています。

「ヒトラーは同時に肉食をあきらめるようになった。以前から制限していたのだが、今やはっきりと菜食主義者になったのだ。アルコールも拒むようになった。公式の席上でときどきグラス一杯のゼクト(ドイツ産発泡性ワイン)やビールに手を伸ばすだけになった」


 ヒトラーの菜食主義の中身

──そうですか。しかし、ヒトラーがベジタリアンでは「絶対得するビーガン&ベジタリアン」のテーマとは矛盾しないですか。

 そう思って、以前、アメリカ・ボストンからマクロビオティックを世界に発信した指導者・久司道夫氏に、直接質問したことがあります。ヒトラーがベジタリアンの代表ではマクロビオティック的にもまずいので、彼も調べてみたそうです。

 彼の答えは「肉食を断つという意味ではベジタリアンの範疇に入るが、彼の場合は肉体改造を目的とした頑強な精神構造・肉体構造づくりのため、薬物などを多く使っていた」という話でした。

──というと?

 いわゆる薬物中毒による異常な精神的高揚から来る行動とか薬害による精神・肉体障害が、彼の思考並びに行動に影響したということのようです。ただ、健康状態だけは問題なしという報告があります。

 ヒトラーの今後の行動について調べた連合国側の報告書によると、いくつかの可能性が上げられていました。

 その1番目に上げられていたのが「自然死の可能性はほとんどない。なぜなら、彼はまったく健康だからである」ということでした。

 そして、最後8番目に「自殺」と書かれている。その通りの結果になったわけです。



 二木謙三博士が提唱した玄米菜食

──そうですか。でも、マズイですよね。「絶対得するビーガン&ベジタリアン」の立場からは。

 いや、誤解はされやすい事例ですが、真正のベジタリアンの立場からは、逆にわかりやすい結果でもあります。

──わかりやすい?

 世界的な細菌学者にして玄米菜食の権威・二木謙三博士はその効用を広く一般に説いています。

 二木博士が提唱し、推奨したのは「玄米二食主義」です。

 昔の日本人は玄米を食べていました。その玄米を止めて、食生活がぜいたくになったため、幕末の経済は行き詰まり、昭和になっても経済不況に見舞われ、食糧危機、エネルギー危機から日中戦争、太平洋戦争へと進んでいったわけです。

 二木博士は『健康への道』など、多くの本を出版していますが、その中で例えば「日本人は白米を食うために、一割の搗き減り、即ち年々五百万石の米の損をしている」と、指摘しています。

 玄米を撞いて無駄にする「糠」という字は、米に健康の「康」で成り立っています。一方、白米は1字にすれば「粕」になります。

 玄米を食べていれば、食糧不足の心配もなく健康であり、逆に粕(白米)を食べて、健康が得られるわけがないというのが、二木博士の玄米菜食の基本的な考え方です。同時に「食うために生きる」ことを止めて、玄米菜食を続けていると、自然に霊的に向上するというものです。

 近代の西洋栄養学の常識を超えた実験的な事例は、いろんなところにありますが、久司さんがポルトガル・リスボンの刑務所で弟子チーコの協力の下に行った“実験”は、非常に興味深いものがあります。



 “アル・カポネ”一味が始めたマクロ

『人類と地球を救うマクロビオティック』(文芸社/新版・たま出版)で紹介されていますが、久司さんのもとでマクロビオティックを学んだ青年チーコが、リスボンに帰って、現地でマクロビオティックを広める活動を友人と一緒に展開したときのことです。

 そうした彼の活動が現地の新聞で紹介されたのです。そして、その記事を見て興味を示したのが、何と刑務所にいた極悪犯一味だったのです。

 強盗一味は28人いて、ボスのあだ名が「アル・カポネ」。最後は警察の手に負えないため、軍隊が出動して捕まえたという曰く付きの連中です。

 その新聞をたまたま読んだ彼らが「面白そうじゃないか。これをやってみよう」となったというのです。

 刑務所のほうでも調べて「特に危険はなさそうだ」ということから、チーコに連絡が行き、刑務所内でマクロビオティックの講義と料理教室がスタートしました。ナイフは使えないため苦労したそうですが、続けているうち彼らが刑務所内で自炊を始めたのです。



 極悪犯28人全員が社会復帰する!

 そんなある日、朝の点検の際に、以前は看守がドアを叩く音に「うるさい!」とか「消えちまえ!」と言っていた彼らが「おはよう」と応えたというのです。

 彼ら自身、自分たちの変化に気がつくと同時に、看守たちも「何だろう、気味が悪い」と思ったそうです。

 その後も彼らの変化は続いて、すっかり模範囚になった彼らに、刑務所側でも社会復帰の準備として、半日だけ外出を許したのですが、全員が刑務所にもどってきたのです。

 それまでは、ずっと脱獄を繰り返してきた連中です。

「なぜ逃げないのか」と聞いたところ「町に出ても口に合うものがない。自分たちがつくるマクロビオティック食が最高だ」と応えたというのです。

 最終的に、彼らは大幅に刑期を短縮され、2年間で全員が社会復帰して、野菜づくりやトーフづくりを始め、やがてレストランや食品店を始めました。一番の出世頭は大学教授になったのです。

 まさに「人を良くする」と書く「食」によって、凶悪犯さえ真っ当な善人に変わるという証明になったというわけです。

──本当ですか?

 かつてチーコが来日したときにも、直接、話を聞いています。

──そうですか。ちょっと信じがたい話ですけど。

 ヒトラーのケースとは真逆の結果ですが、まさに二木博士の玄米菜食、マクロビオティックの可能性を示す興味深い実験です。


 マクロビオティック指導者のガン死

──なるほど、しかし、肝心の久司さんは晩年ずいぶん病気に悩まされていますよね。

 それは愛すべき人間の弱さであり、指導者であるとともに有名人の悲しさです。

 真理を伝える立場の者は、例えば二木謙三博士の言葉を忘れて、世間やその時の都合に流されるとどうなるか、その怖さは久司さん自身、よくわかっていたと思います。

 彼に「自分はどうなのか?」と尋ねたとき「家族には甘くなる」と言ってました。

 久司アヴェリーヌ夫人は、料理本レシピを担当するなど、貴重なパートナーでしたが、彼女もまた生徒たちに玄米菜食の指導をしながら、現実には「甘いものや揚げ物などはなるべく採らないように」と言いながら、大好きな揚げパンを寝室のベッドの隅に隠しているのを、スタッフに見つかっています。

──教えることとやっていることがちがうということですか。

 まあ、それが悪いというのではないのですが、立場上、無理に我慢をする、ストレスを抱えることで、彼女もマクロビオティックの指導者でありながら病に倒れるわけです。

 マクロビオティックの指導者の一つの特徴は、ガンなどの難病に限らず、自殺するといった不幸な最後を遂げている者が多いことです。

 指導的な立場にいる者にとって、わずかな矛盾・過ちが命取りになるのは、マクロビオティックの世界に限りません。あらゆる道の指導者が様々な矛盾を抱え、道を踏み外すとロクなことにはなりません。

 最近も、仙台のマクロビオティック指導者・美上みつ子さんからのメールで知りましたが、以前、日本で会ったことのもある指導者エドワルド・エスコーが大腸ガンで亡くなりました。享年71歳です。

 彼は久司さんと一緒にボストンで「クシ・インスティテュート」を立ち上げた久司マクロの中心人物です。その前にはワレン・クレマーという料理指導者が、やはり大腸ガンで亡くなっているということです。

 彼らの死でアメリカにおける久司マクロも終わるのではないかと危惧されています。

──確かに、日本の久司マクロの教室は、すべて閉鎖されていますね。

 彼らの死後、後継者争いが演じられているとも聞きますが、事情は日本の久司マクロビオティックでも、変わりはないようです。



 玄米菜食の陥りやすい弱点

──時代はビーガン&ベジタリアンのほうに向かっていると言われる中で、その流れとはちがうということですか?

 1985年からマクロビオティックを教えてきた料理研究家「岡田恭子の恭子式マクロビオティック」と冠した本『食べ物を変えると、からだも、運命も変わります。』(河出書房新社)には、自らの体験した玄米菜食の陥りやすい弱点を具体的に語っています。

 幼少時から病弱だった彼女は、玄米菜食を始めた当初、厳密な正食(動物性食品、甘味をいっさい食べない)を7年続けたといいます。

 その理由は健康になることに加えて「マクロをすると心もからだも自由になる」という桜沢如一氏(マクロビオティックの創始者)の言葉を信じてのことです。

 その結果が「たしかにそのとおりなのですが、私の経験からいうと、マクロビオティックを実践している人たちには、陰陽にとらわれすぎて、むしろ心が自由ではなくなっている方が多かったのも事実です。また、玄米の欠点もあらわれて、からだも自由ではなくなる方もいました」と語っています。

 玄米菜食を続けることで難病も治ったのですが、数年たつと、生命力がなくなってくることから、真の健康を得るため「神に祈る思い」で、突き詰めていったということです。 玄米菜食の良さは排毒・デトックスですが、排毒作用のあるフィチン酸が逆にミネラルの吸収を阻害するため「厳格な玄米菜食を続けていくと、ミネラル不全に陥り、さまざまな不調が出てくる」という欠点を補う、彼女なりの結論「恭子式マクロの玄米菜食理論」が完成したということです。

「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言いますが、何事にもバランスがあります。



 栄養学の常識を超える現実

──確かに、よく玄米の害として農薬や毒素の問題、オメガ3酸などの欠如が問題にされていますね。

 それは一面の真理ではあっても、実は実際のベジタリアンあるいはマクロビオティックの世界では、西洋栄養学にさほど意味はありません。

──どういうことですか?

 何事にも例外、個人差があります。多くの人は、自分なりの方法で成功すると、それが最善だと思うものですが、玄米菜食・ベジタリアンの世界も様々です。

 インドには何も食べずに30年以上生きている聖人もいると言った話が普通にありますが、そんな極端な例を上げなくても、西洋栄養学と異なる現実はいくらでもあります。

 禅宗の精進料理の基本は一汁一菜です。わずかのおかずと漬物と玄米と汁ものだけで、西洋栄養学の観点からはナンセンス以外の何ものでもありません。

 古くからのマクロビオティック仲間(玄米菜食)は、健康診断を受けて、その数値を見た医者から「生きていない!」と驚かれたと語っていました。

 数値上は生きている人間のレベルではないのですが、現実には医者知らずの健康体で、生活習慣病とは無縁なわけです。

 あるいは、以前、日本を訪れたインドの聖人とバラモンの修行僧3人と会ったときのことです。

 聖人はヨーロッパで生活したこともある、割りとさばけ人物でしたが、バラモンの修行僧は日本ではレストランには入らず、いつも外で待っていました。理由は「けものの臭いがする」というものです。

 彼らは果物だけで、夏も冬も薄い衣姿で何の不自由もなく生活しています。

 何事にも不安と疑い、恐れ、ストレス、我慢といった精神面での矛盾がなければ、常識を超えた境地、自然な力が身につくということです。


 ベジタリアンの理想的な最期

──そこまで行くと、われわれ一般大衆には難しいですね。

 修行僧は玄米菜食による食での修行を通して、精神面での向上、さらには悟りへと、無理なく導かれていくわけです。そのつもりになれば、そう難しいわけではありません。

 ただ、そこでの理想の姿となると、ちょっと現実離れしていると言われそうですが、それが多くの聖人の最期の姿に象徴されています。

 死期を悟った彼らは、弟子たちを呼んで、集まったところで、自分はいつ死ぬと宣言して、その通り亡くなっています。高野山奥の院に眠るとされる真言宗の開祖・空海は座禅姿でミイラになっていて、いまでも生前同様、食が届けられると言います。

 寝たきりにならず、周りに迷惑をかけることもなく「みなの者、さらばじゃ」と言ってこの世を去る。医者にもかからず、従って健康保険や介護保険の世話にもならず、医療費の削減に貢献する理想的な生き方を貫くことができるということです。

 まさに玄米菜食の効用です。これを「得」というのが「絶対得するビーガン&ベジタリアン」の基本的な考え方なのです。



 「人を良くする」方法の落とし穴

──人を良くする方法に関して、環境等にも優しい玄米菜食が、そのつもりになればもっとも手軽な取り組みだとしても、より手軽にできる方法があればと思いますが、ないものねだりでしょうか?

 即効性はありませんが、結局は武道・茶道などのいわゆる情操教育や、本来は学校教育・宗教・瞑想法などが、その役割を担ってきたわけです。

 しかし「食」が乱れたことによって、本来は人間の霊性を高めるべき教育も宗教も往々にして“洗脳”の道具とされることがあり、難しいところです。

 かつて「パンを食べると頭が良くなる」という本がベストセラーになったことがあります。

 パン食に関しては、別の機会に譲りますが、典型的な西洋由来のものは、基本的に競争や対立関係をつくる働きを持っています。

 しかし、効率的で手軽なところから、スポーツの世界で問題とされるドーピングなどとも関連して、続々と登場するサプリメント、その先には脳や皮膚に埋められる医療用チップが健康および人間改造のために利用される世界が待っています。

 まさにヒトラーの二の舞になる可能性さえあるわけです。

──それでは困りますよ。



 「食」に代わる人を良くする方法

「ウエルネス@タイムス」では、これまでも「人を良くする」ことをテーマに、前号では

仙台の「丸山アレルギークリニック」の様々な治療・取り組みについて紹介しています。

 同クリニックの「人を良くする」アマテラスライトに関する詳細は、近いうちにレポー

トする予定です。

「ウエルネス@タイムス」編集子が長年、各界を取材してきて、玄米菜食以外にもっとも簡単に「人を良くする」ものとして、推奨できるものは大阪の「株式会社ウエルネス」が製品化しています。

 それがνG7量子水をつくるヘキサゴンフィールド変換器を応用したエネルギー装置です。置くだけで、その場をパワーのある空間にする「スーパーハニカムグレース」、「パワーハニカム」など、様々なタイプのものがラインナップされています。

『νG7量子水』(ヒカルランド)には、置くだけで邪魔な人物が寄りつかなくなったり子どもが素直になったりするといった興味深い事例が紹介されています。水も装置も使っていると、自然に人間性を取り戻していく不思議な効果があるようです。

 もう一つ手軽なものとして、お薦めなのが、愛知県岡崎市の「株式会社ミミテック」松井和義社長の開発した「英語脳」をつくる「ミミテック英語学習法」および「ミミテックメソッド」(右脳学習・潜在能力開発法)は、無理なく偏差値が上がり、潜在能力が開発されていく結果、自然に人間性の向上につながっていきます。

 詳細は別の機会に譲りますが、現在、力を入れている正しい複式呼吸法である「光・丹田呼吸」と合わせて、老若男女を問わず、人間性の向上に役立つ事例が続々と集まっています。




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