劇団「大人の学芸会」×100%ビーガン「罪無き麻婆豆腐」イベント 追っ掛けファンもいる、二度見る人もいるという意外な評価!
@タイムス情報

新感覚の体験型エンターテインメント
2024年12月、師走の東京・六本木。
クリスマスムードの街は、それぞれの思いと 様々な事情を抱えて、一見華やかな慌ただしさに満ちていた。その日は劇団「大人の学芸会」×100%ビーガン「罪無き麻婆豆腐」ライブの初日であった。
六本木交差点「アマンド」前は、待ち合わせにはピッタリというか、まちがえようがない待ち合わせスポットである。だが、世の中はそうそう自分が考えるようにはうまくできていない。
約束の20分前に着いて、念のため、電話を入れると、たぶん日本で一番忙しい86歳 の一人、イラストレーター・田村セツコさんは「まだ、家にいる」とか。エーッ!?
メールで「アマンド前でよろしく」と送っているので、その後の返信は要らないと思っていたら、「お返事がないので~自宅です」とか。義理堅い昔の大人には、ていねいな対応が必要だと再認識した。
「もしかして、開演時間に遅れるかも」と思っていたところ、渋滞の時間を縫うように駆け抜けた、彼女曰く「素晴らしいタクシー運転手さん」のおかげで、無事間に合って、会場であるビーガン「罪無き麻婆豆腐」に行った。
5時50分から始まる「罪無き麻婆豆腐100%plants base六本木」の料金は夕食コース+1ドリンクの一人5500円。そのライブ案内は、以下の通りである。
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新感覚の体験型エンターテインメント『スパイシーな笑いが豆腐に宿るとき。』 “演劇”と“料理”が一つになる唯一無二のステージです。
物語が進行むごとに一皿ずつ特製コース料理を楽しみながら、役者たちとともに物語の世界に没入できる、特別な時間をお届けします。

クリスマスディナーか最後の晩餐?
開演時間になると、舞台は暗転後、おもむろにスタートする。
狭い厨房を囲むカウンターに座る客の前での宮崎翔太氏の口上。
「みなさんは食事をしたことがありますか?」という、ディープなのかブラックなのか、 微妙に意表を突く笑える問い掛けからスタートした。
「大人の学芸会」とは(お笑い)芸人を目指す2人のイケメンコンビ名である。
早川諒氏はモデル、俳優を経て、いまはビーガン「罪無き麻婆豆腐」とともに、大人の学芸会とイラストレーターの肩書で仕事をしている。
相棒の宮崎翔太氏も俳優業の傍ら「罪無き麻婆豆腐」を仕事にしている。
コンビを組んでいる「大人の学芸会」ライブは、今回で6回目になる。宮崎氏の追っ掛 けファンとして、この日も「第1回目の公演から毎回来る」という女性ファンもいた。
その舞台は「そこそこの幅広い知識と情報、ユニークな視点と単純なお笑いにはないエスプリ(?)が効いて、笑いに深みがある」と、演劇評論家なら言いそうなコントが展開されていく。
例えば、先ごろ亡くなった漫画家・楳図かずお氏の定番である赤と白のボーダーTシャツを着た相棒の姿は、どこか楳図先生に似て見える。役者・宮崎翔太氏の実力である。
「違います」と、否定すればするほど、正体を隠すためにそうしているのかと勘違いされるという、ありそうなホンモノとニセモノの狭間に横たわる“真実”を浮き彫りにする。
コース料理(?)は大きな皿というか、器が客たちの前に置かれていて、オードブルというべきナッツが2粒、いや3粒サービスされる。2つでは3ックスナッツにならないだろうといったシュールなコントが展開されていく。
ステージが進行する中、飲み物、ビールの追加は劇中に客が注文する。
筆者が二度目の注文タイムに「ワインはあるの?」と余計なことを聞くと、痛いところ を突いてしまったかも?
限られた設定上、用意してあるアルコールは「エビス」の小瓶のみ。気のきいたアドリブは返ってこなかったが、そうして客も舞台・コントの登場人物となっていく。
約1時間30分。料理のほうは、前菜からスタートして、ビーガン餃子、メインの麻婆豆腐セットなどのコース料理が各々にサービスされていく。
師走の15日と30日の2回に分けて行われた今回の舞台が、クリスマス恒例のディナ ーショーのつもりなのかと思っていたが、もう一つのテーマというか、お笑いネタである現在の地球並びに世界を覆う「神々の怒り」といった大袈裟な表現を聞いていると、案外キリストの「最後の晩餐」なのかも、という気になってくる。
場所が六本木だということもあり、食事を楽しむにはちょっと暗いので、昔、通った深 夜のサパークラブを思い出した。


料理番組本番でのハプニング
以前、ビーガン「罪無き麻婆豆腐」を食べて、すっかり気に入っていた田村セツコさん は、料理以上に2人のコントに、冒頭の口上から笑っていた。
公演後「センスがあって素晴らしいわ。演技が上手というか、真面目にやっているから おかしいのよね。それも料理しながらだから、ホント魅力的!」と感心していた。
さすがタモリの“お母さん”、赤塚不二夫の“元彼女”である。
確かに、そんな料理本番の難しさを象徴する「珍しいハプニングが起きた」とネットで ニュースになっていたのは、2025年1月7日のことである。
朝の番組「ラヴィット」で、同番組の料理コーナーを受け持つSnowManの宮館涼太氏と元料理人の芸人・水田信二氏がコラボした本番で、通常の料理企画ではありえない 衝撃の展開が起きていた。
その日はお正月に余ったお餅をいかに有効活用するかとのコンセプトに、宮館氏が「トマトと七草の和風餅ピザ」を紹介するというコラボ企画である。
ところが、お互いがお互いを気にしてしまい、両者の良さを打ち消してしまう展開に。 そして、宮館氏が調理していたフライパンからはモクモク煙がというわけで、和風ピザのメインともいえる餅を丸焦げにしてしまったのだ。
しかも、芸人・水田信二氏は元料理人。宮館涼太氏の従兄弟は新中華の料理人である。 関係ないか?
いずれにしろ、図らずも時間内に調理して出す本番の難しさを象徴する“放送事故?” というわけである。
テレビ本番でのまさかのハプニングに、改めて「大人の学芸会」×ビーガン「罪無き麻 婆豆腐」のステージで、手順良くサービスされるのは、意外と難しいのかもと、そんなことを考えさせるニュースを知れば、ビーガン「罪無き麻婆豆腐」がますます美味しく見えてくる。

追加公演そして最新作へ
12月の2回公演が終わり、2025年は1月11日、12日に追加公演が決定した。
すっかり「大人の学芸会」+ビーガン「罪無き麻婆豆腐」ファンになった田村セツコさんに、とりあえずその事実だけメールしたところ、早速「12日に行きたいで~す」との 返信が来た。
筆者は行くつもりがないので、結局、かつて新宿で一緒に飲み歩いていたジャーナリストO氏とブラジル在住のカメラマンK氏と3人で行くことになった。
その日は彼ら2人以外は、全員女性たちで満席だったとか。基本的に同じ舞台を二度見るというのは、十分に彼女の眼鏡に適ったということの証明でもあるが、満席の女性たちに劣らないすごい情熱である。
コラボ公演はさておき、昨年6月から3度移転を繰り返してきたビーガン「麻婆豆腐」 店は、六本木でしばし落ちつくのかと思っていた矢先「テナントの建て替え、メンテナンスの都合により」2月9日で閉店。次なる展開は「虎の門店」での営業が正式決定した。
何とも目まぐるしい。そんな中「大人の学芸会」第7回公演ということにになるのか、 「大人の学芸会」と「罪無き麻婆豆腐」が贈る体験型エンターテインメントの最新作が決定した。

最新作のタイトルは「snack102~さよならはカウンターごしに~」。 「スナックの学校を舞台に繰り広げられる、笑いあり涙ありの卒業式コント喜劇。馴染み の客、個性豊かな生徒たち、そして熱血(?)ママが迎える最後の夜。カウンター越しに交わされる言葉と、名残惜しいグラスの音が響く、あたたかくも切ない物語です」 筆者は行けないのが、ちょっと残念。
その代わり、後日、虎の門店を訪ねていくことにする。

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