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 靖国神社宮司を脅して逮捕された国士・浦田雅治に会いに行く  実録「令和・忠臣蔵」「遺書」他、届いた資料

更新日:2023年4月21日


 靖国神社宮司を脅して逮捕された国士・浦田雅治に会いに行く
  実録「令和・忠臣蔵」「遺書」他、届いた資料        @タイムス情報



最後のフィクサー?

 作家・大下英治氏に『最後の黒幕・朝堂院大覚』(竹書房)という本がある。世界の武

道界のまとめ役として知られるフィクサーを紹介した本である。

 朝堂院大覚とは、僧侶か何かの名前かと思ったら、本名は松浦良右。昔、政治銘柄とし

て話題になったナミレイ(波速冷凍機工業)の経営者としての顔の持ち主である。

「ウエルネス@タイムス」記者も、政財界の闇にまつわる取材に関して、よくすれ違って

いた。

 まさか「あの松浦氏が!?」と驚いたことを覚えているが、大下氏から「最後のフィク

サー」の称号を冠せられた朝堂院氏は、コロナ前、全国的な空手の集まりがあったとき、

彼を差し置いて初めにあいさつに立った人物を前に、バツが悪そうに姿を消した。

 フィクサーにしろ、何にしろ、上には上がいる。右翼もジャーナリズムも似たようなも

ので、普段大きな顔をして、景気のいい振る舞いをしている連中が、肝心なときに筋を通

すことなく去っていく。そんな光景を嫌というほど見てきた「ウエルネス@タイムス」記

者だけに「またか」との、残念な思いしかない。

 と、そんなことを考えたのも「ウエルネス@タイムス」記者がこれまでつきあった、い

わゆるフィクサーが、朝堂院氏とは真逆の生き方をしてきた存在だからでもある。

 なぜか彼らに気に入られた「ウエルネス@タイムス」記者は、若いころから、よく訪ね

ていっては酒を飲みながら、彼らの愚痴の相手をしたものだ。



 フィクサーたちの本音

 彼らフィクサーは日本の国を守るために、政財界の裏側で、表向きは敵でしかない共産

党(赤旗記者)、あるいは公明党(学会関係者)とも深い関係を築いていた。当然、世界

の情勢、政財界の裏側、世の中の趨勢に通じていたため、ほとんどあらゆるメディアが情

報を得るためにやってきた。

 だが、彼らが国益を第一に、異なる立場の人物とも交わるのに対して、多くの有名ジャ

ーナリストは目先のことしか考えない。要は、ネタが売れるかどうかである。

 もともとジャーナリストの多くは左翼上がり、リベラルが主流である。国益以前に、体

制破壊を暗に望んでいるがごときアプローチに熱心なところがある。

 最初はわからなくても、何度かつきあっているうちに、彼らの口とは裏腹な対応、失礼

な情報の使い方など、結局は人として真っ当ではないことから「あいつはダメだ」という

愚痴になる。

 彼らフィクサーにはいろんな場面で助けられたが、それもお互いさま。ネタや情報を得

るだけではなく、相手からの相談事、頼まれごとにも、誠実に対応してきた。

 基本的に「ウエルネス@タイムス」記者の生き様、仕事ぶりを評価されたからこそ、信

頼を得ていたわけである。




 デビュー作『永遠のゼロ』

 フィクサーに限らず「ウエルネス@タイムス」記者は、これまで記してきたように、頼

まれてできることは、基本的に何でもやる。

「先祖供養は未来への投資!」とのメッセージを掲げていることもあり、2023年12

月には、昭和天皇に代わって、戦後処理を続けてきた一般財団法人「梨本宮記念財団」代

表理事から、ベストセラー作家・百田尚樹氏の『橋下徹の研究』(飛鳥新社)を読んだと

言って、電話があった。

 ゼロ戦パイロットを主人公にした『永遠のゼロ』で小説デビューした百田氏は、その後

も次々と話題作を発表。安倍元首相を支援するなど、日本の右翼を代表する人物のイメー

ジが強い。

 本来、日本の歴史を書いた『日本国紀』(上下)は、その集大成ともいえる力作だが、

出版当初から転載や流用疑惑が絶えず、文庫本になっても誤記が目立つといったいい加減

さが話題にもなっている。

 もともとテレビの放送作家の出身である。昔からテレビ業界は、案外いい加減なところ

がある。しかも、大きなウソ、大ボラは小説家の才能でもある。

 そんな百田氏だが、ベストセラー作家としての発言力、社会的影響力は大きい。



 百田尚樹氏への手紙

 今回、梨本宮が「ウエルネス@タイムス」記者に、百田氏に資料を添えて「靖国で会お

う」との連絡を依頼したのは、安倍元首相に期待もし、協力もしてきたこともあり、百田

氏に親近感を抱いてきたからこそのアプローチというわけである。

 百田氏への手紙は、以下のような内容(抜粋)である。

          *                 *

 梨本宮記念財団の梨本隆夫代表理事から「百田尚樹著『橋下徹の研究』を読み終えた」

といって、その歯に衣を着せぬもの言いに、何か感じるところがあったのでしょうか。ジ

ャーナリストである私を通じて、百田先生に梨本宮のメッセージを伝えてほしいという連

絡がありました。

 内容は「ウエルネス@タイムス」で書いた一連の資料に目を通してもらった上で「20

23年1月15日(日)午前10時30分、靖国神社参集殿でお目にかかりたい」という

ものです。

 梨本宮は、昔から誤解の多い人物ですが、実際には35年以上、毎月15日に靖国神社

参拝を続け、23日には染井霊園において、天皇家の神事を担ってきた白川伯王家墓前で

の祭典を行ってきたことを知る者として、誤解は「先祖供養を満足にやらない連中が、自

分たちが大きな顔をできないから」というのが、私のジャーナリストとしての結論です。

 敵が多い梨本宮とは不思議な縁から、私がハワイの王族につなげたりしてきました。

 私は現在は「ウエルネス@タイムス」を通じて「先祖供養は未来への投資」ということ

並びに「あらゆる対立を超えて(恩讐を超えて)」ということを、世界の平和実現のため

のメッセージにするとともに、そのための活動を行っています。

 梨本宮は立命館で、同志社の百田先生とは大学はちがいますが、同じボクシング経験者

です。「梨本宮が直接言えばいいだけのことではないのか」と思ったところ、昔を知る先

輩は煙たいのか「ワシから逃げ回っている(?)」と言っていたため「ウエルネス@タイ

ムス」記者の出番となった次第です。

 安倍元首相、アントニオ猪木氏など、なぜか肝心なところで、真剣に向き合うことのな

い連中を見てきただけに、いまさら他に期待する気は、さほどないとはいえ、梨本宮から

頼まれたことであり、私としては粛々とその頼まれ事を処理するだけのことと、一筆啓上

している次第です。

 以上、勝手なことを述べましたが、1月15日、靖国神社でお目にかかれるならば幸い

に存じます。



 倉敷・浦田雅治氏からの手紙

 2023年1月15日、今年初めての梨本宮記念財団による靖国神社参拝に参列した。

百田氏が来ないのは、予期したことでもある。「ウエルネス@タイムス」記者が知りたか

ったことは、ジャーナリストが送った手紙にどのような対応をするかということだ。

 誠実な対応か、当たり障りのない対応か、そして無視するかで、人間性が問われる。

 百田氏としては、いまさら煙たい存在の梨本宮と会ってもいいことはない。利用される

だけだと判断してのことかもしれない。人それぞれの事情と流儀がある。

 それはさておき「ウエルネス@タイムス」編集部にも、たまに見ず知らずの人物から書

簡や資料が送られてくる。

 2022年8月、77年目の終戦記念日ということもあってか、倉敷の浦田雅治氏から

レターパックで手紙と資料「実録・令和忠臣蔵」(小冊子)が送られてきた。

「シナリオを募集中!」とあり、表紙をめくると「遺書」の活字が目に入る。

 改めて「暑中見舞い」を兼ねた添え状を読むと「東条さんたちの顕彰は早すぎた! そ

う祈っていただきたいのです。顕彰に賛成なら、伏して再考を切念」というのが、もっと

も言いたいことのようである。

 読んでの感想は「顕彰は早すぎた!」というが、いつならいいのか?ということ。「顕

彰」には賛成も反対もないということだ。要は、何事にしろ自らの判断で「分けている間

は、争いごとの治まることはない」からだ。

 万物に神が宿るとされる日本では、誰もが神として生まれ、神・仏となって死んでいく。

 資料は意味不明の点も多く、また彼が生涯を捧げ、生活等の多くを犠牲にして取り組ん

できた問題だと推察できるだけに、そうそう当たり障りのない対応ですますわけにもいか

ない。

 そんなこともあり「返事を書かなければ」と思いながら、忙しさにかまけて、ついその

ままにしてきた。しかし、忘れたわけではない。

 1月15日の靖国神社参拝前、浦田氏を訪ねたのは、そんな思いがあってのことだ。




 浦田氏への返信と「明魂」

 倉敷を訪ねるにあたって、事前に送った手紙には、靖国等に対する考え方などの一端を

レポートした「ウエルネス@タイムス」記事を同封。左翼・リベラルが主流の昨今、右翼

と見られるが、本質は浦田氏の言う「中翼(なかよく)」の立場から、以下(抜粋)のよ

うに書いている。

         *                    *

 私は究極の平和主義者として、敵も味方も、悪も善も、毒も薬も、排除するつもりはあ

りません。もちろん、コロナをはじめウイルスも、ガンなどの病気も、お友達のつもりで

「バカなことはしないように」と、語りかけるだけで、世間が目の敵にするのを、シラケ

て見ています。

「東条は過去の己、未来の我である。天から見れば、同じ裏も表もない表裏一体である」

「明日は我が身、人のことは言えない」というのが、世の中の法則です。

 東条他A級戦犯を分ければ、喜ぶのは中国・韓国です。

 答えになっているかどうか、修養団創始者・蓮沼門三の「明魂」をよく読むことをお薦

めします。そこにわれわれの考え方が示されています。

 「明魂」

 月歪むにあらず波騒ぐなり

 止水に映る月を見よ

 波立つ心に映る万象は

 真の相(すがた)を現さず

 目暗むにあらず雲かかるなり

 雲去ればまた輝く

 暗き魂を通して眺むる世界は暗黒なり

 静かなる心には

 一木一草も仏の姿を現し

 明るき魂には

 行雲流水も神の妙工(みわざ)を啓示(しめ)すなり

 悟れる者の生涯には

 怨みもなく呪いもなく

 すべてを感謝し常に喜び絶えず祈る(中略)

 迷える者よ

 父を怨むな兄を呪うな

 妻を責むるな子を罵るな

 人を審判(さば)く眼(まなこ)を転じて

 おのが魂を凝視(みつめ)よ

 一切の怨み一切の呪いは

 おのが暗き魂の中にぞ芽生ゆる(後略)




 靖国神社宮司脅迫事件

 1月14日、浦田氏の事務所並びに展示室となっている「倉敷こっとう倶楽部」を訪ね

ると、入館料300円の看板が出ている。

 ところ狭しとさまざまな骨董というか、戦争にまつわる遺品や記念品が飾られている。

戦前戦後の歴史的な遺産の数々に興味を持って訪ねてきた見学者には、どこにどんなお宝

が隠れているかわからないため、必要に応じて解説などしているという。

 もっとも、浦田雅治といっても、世間は知らない。それは「ウエルネス@タイムス」記

者も同様である。

 ネットを検索しても「靖国神社の宮司を脅迫、倉敷市の自営業の男を逮捕」などと出て

いる程度である。

 逮捕されたのは、2019年10月。当時のテレビや新聞で報じられている。

 報道では「6月以降、同神社を批判する内容の手紙を200通以上送っていた」という

が、脅迫というよりは「東条さんをはじめとしたA級戦犯の顕彰は早過ぎたため、天皇陛

下が参拝できなくなった」「顕彰ではなく、改めて鎮霊社へ遷座して、慰霊だけにしてほ

しい」と、靖国神社宮司に顕彰の理由などを問いただしたものだ。

 私設の平和資料館を営む彼は、本来、国の行く末を案じる「国士」である。

 2000年9月「防衛庁テロ対策室流出文書」事件では、防衛庁の52人が処分される

ことになった、問題の文書を入手したことで、一騒動起きている。

 計1500枚ある問題の文書は2000年6月に古書店から購入したもの。機密のはず

の「爆弾テロ資料」流出に驚いた彼は、どう対処していいかわからないまま、旧防衛庁・

警察庁に連絡した。

 図らずも権力の不都合な真実をかいま見たわけだが、「機密漏洩」の事実を今後の戒め

とするのならともかく、逆に自分たちのミスを暴いたと逆恨みされたのか。まるで、権力

の敵のような扱いをされるのだから、災難である。




 倉敷こっとう倶楽部

 何かと問題となる浦田氏は昭和28年12月に生まれた。「家業は何か?」という質問

には答えず、中学2年で学校教育は終えて働いたということであった。

 医者の診断ではないが、本人の言葉では「発達障害」のため、学校でジッと机に座って

いることかできなかったという。集中力が続かないため、学校に行かずに、土木建築現場

で働いた。

 そこの親方が古いものが好きで、その影響から古物商を始めたのだという。

「人生、石の上にも23年」と言って、彼は成人の20歳に、ことわざの「石の上にも3

年」を加えて、23歳の自分に向き合った。

 世間では通常は23歳で大学を卒業するため、20歳+3年の23歳を機に、自分の使

命は何なのか、自分のやるべき仕事として始めたのが古物商のようである。

 天皇刀の他、貴重な遺品がところ狭しと置かれている。どうして、こんなところにと思

うような歴史遺産が、なぜか集まってきたという。使命感のなせる技である。

 それだけに「後継者をどうするか」とともに、2024年4月をメドに、展示室をリニ

ューアルして、利用しやすいようにしたいというのが当面の課題のようである。



 あらゆる対立を超えて

 浦田氏の国を思う気持ち、自らの信じる道を突き進む行動力には、敬意を表したい。

「明魂」を読んで、どう思ったのかは、あえて聞かなかったが、自らの都合で「分ける」

ことをしている以上、戦争は終わらないし、中国・韓国が喜ぶだけである。

 天皇を深く敬愛する彼に、分けることは相手の土俵で戦うことであると言ったのだが、

結局は「東条さんの顕彰は時期が早かった」と、自説にもどってしまった。

 あらゆる対立を超えるため、霊性の話もしたのだが、どれだけ伝わったのかは心もとな

い。

 明治天皇は御製を通じて、戦争が絶えない世界に、何とメッセージしたか。

「よもの海みなはらからと思う世に など波風のたちさわぐらん」

 はらからとは、漢字にすれば同胞。兄弟姉妹、家族である。そこには敵も味方の分け隔

てはない。





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