「先祖供養は未来への投資!」その後 地図から抹殺された靖国神社「鎮霊社」 梨本宮記念財団・梨本隆夫代表理事の無念


 「先祖供養は未来への投資!」その後 地図から抹殺された靖国神社「鎮霊社」

 梨本宮記念財団・梨本隆夫代表理事の無念



 過去はただ悼むだけでいい!

「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」あるいは「歴史に学べ」と、日本は欧米

諸国を例に、過去の侵略・戦争などに対して、よく言われてきました。本当にそうなら、

率先して従いたいところですが、世界の現実はとても過去や歴史に学ぶことなく、いまも

平和な日本からは信じられない悲惨な戦争を展開し続けています。

 過去や歴史に学ぶどころか、相変わらず過去や歴史を持ち出すことによって、ロシアも

ウクライナも自らの正当性を主張して、21世紀の今日、映画やゲームで見るような爆撃

・殺戮を繰り返しているのです。

 しかも、彼らの主張に耳を傾けると、どんどん問題の本質から離れて、まるで戦争や爆

撃、殺戮行為が止むを得ない選択のように思えてきます。

「歴史に学ぶ必要はない」と「ウエルネス@タイムス」が主張するのは、歴史が常に言い

訳として利用され、声の大きい強者に都合のいいようにつくり変えられてきたためです。

そして「過去はただ悼むだけでいい」というのが「ウエルネス@タイムス」のメッセージ

です。

 悼むことの中に、悲惨な歴史に対する反省の思いもあります。

 それは追悼することによって、あらゆる恩讐を超えて、対立ではなく、お互い手を結び

一つの心になる「和」への道がある。「先祖供養は未来への投資!」だからです。



 「神道が世界を救う」

 2022年5月15日は、沖縄の日本復帰50周年という節目の年です。

 特別な日でもあり、一般財団法人「梨本宮記念財団」(梨本隆夫代表理事)が毎月15

日に行っている靖国神社正式参拝に参加してきました。

「ウエルネス@タイムス」第8号では「先祖供養は未来への投資」をテーマに、なぜ先祖

供養が必要なのか、具体例として、何かと問題が多い天皇家、宮内庁、厚生労働省に代わ

って、日本の戦後処理を執り行ってきた「梨本宮記念財団」の知られざる活動と実態をレ

ポートしています。

 梨本隆夫代表理事は実父・神林茂丸師が終戦後の1949年に出羽三山・羽黒山境内に

世界平和塔を建立してから70年以上、地道な戦後処理を続けて今日に至っています。

 そしてインドの仏教の聖地、バチカンなどキリスト教の実態を知って、彼は「神道こそ

が世界を救う」と確信して、より一層の戦後処理の懸案に取り組んできました。その矢先

新型コロナにいわば足止めをされ、3回目のワクチン接種により、生死の境を彷徨う事態

へと陥ったのです。

 代表理事の健康問題と財団理事の不祥事とが重なり、梨本宮記念財団が発足以来、最大

の危機に晒されたことは、前回レポートした通りです。

 不祥事の行方はさておき、梨本代表理事は、およそ1カ月の静養の後、ようやく健康を

取り戻し、4月23日の白川伯王家墓前での祭典を執り行い、5月15日の靖国神社参拝

の日を迎えています。


 靖国神社に祀られた神霊

「ウエルネス@タイムス」記者が、今回、靖国神社参拝に参加したのは、梨本代表理事か

ら「鎮霊社が靖国境内の地図から抹消された」と聞いたためです。

 よく知られているように、靖国神社の歴史は明治2年に建てられた戊辰戦争の犠牲者を

祀った「招魂社」に逆上ります。その後、西南の役、日清戦争、日露戦争、第二次世界大

戦などで、国を守るために犠牲となった人々の霊を慰め、身分や勲功、男女の別なく、ま

た台湾、朝鮮半島出身者を含め、尊い神霊として祀られています。

 当たり前ですが、日本の神社仏閣は敵味方の別なく、恨みをのんで亡くなった怨霊を鎮

める役割をも担っています。多くの日本人は、これまで死ねば仏になり、神として祀られ

てきたのです。

 まさに先祖を供養し、過去を悼むことによって、現在の平和な日本があります。

 靖国神社はその象徴的な場所ですが、戦後、歴代首相が参拝して何の問題もなかった靖

国参拝が、突如、政治問題化されたのは、1985年8月、海軍出身の中曾根康弘首相が

公式参拝し、中国等から反発があったことと、翌年、参拝を見送ったことによります。

 その後、小泉純一郎首相が靖国参拝を続けていますが、当時、梨本代表が関係筋を通し

て、靖国参拝の折りには「ぜひ本殿脇にある鎮霊社を参拝するように」と伝えてきたので

すが、残念ながら実現することはありませんでした。



 鎮霊社を参拝した安倍首相

 鎮霊社には自国の戦死者だけではない、あらゆる戦争の被害者が祀られています。

 その鎮霊社が脚光を浴びたのは、2014年12月26日です。その日、安倍元首相は

別門から入って、本殿に向かう前に鎮霊社に参拝した後、本殿に向かっています。

 鎮霊社は靖国神社に合祀されていない、世界の戦争でなくなった人々の鎮魂・慰霊をす

るための社であり、世界の平和を願って、1965年に筑波藤麿宮司の発案で創建されま

した。

 その主旨は「明治維新以来の戦争、事変に起因して、死後も靖国神社に合祀されぬ人々

の霊を慰める為、靖国の戦没者と共に鎮斎する」というもので、もちろん敵国であった米

国人や中国人なども含まれています。

 そこに鎮霊社の本当の、そして今日的な価値があります。敵国の犠牲者、戦死者をも悼

むことによって、初めて恩讐を超えて、対立から融和へ、手を結び、心を一つに真の平和

への道を示すことができるからです。

 だからこそ、安倍元首相は参拝の後の記者会見で鎮霊社に日本の首相として、初めて参

拝したことを強調したわけです。

「日本のために尊い命を犠牲にされた英霊に対して、尊崇の念を表し、そして御霊安らか

なれと手を合わせてまいりました」と語り、中国・韓国の人々を傷つける考えは毛頭ない

こと、日本は平和の歩みを続けてきたとして、対話を呼びかけ、理解を得る努力を続けて

いくと述べています。

 その言動が素直に受け止められないため、安倍元首相の参拝後の大晦日、鎮霊社から出

火。屋根などが焼ける放火事件が起きているように、靖国問題はさらに複雑化していった

のです。


 地図から抹消された鎮霊社

 本来の日本の神道はあらゆるものに神が宿るという考え方であり、そこでは敵も味方も

ない共生・共存・共栄を基本に、森羅万象すべてが融合するという究極の和の世界を理想

としています。その基にあるのが、自然の在り方、そして先祖供養の重要性なのです。

 靖国神社自身が、筑波宮司が建てた鎮霊社の価値をわかっていないため、A級戦犯の合

祀ばかりが問題にされるという残念な現実があります。

 その背景には、靖国神社の内紛、スキャンダルとともに、勢力争いが展開され、メディ

アを賑わせることにより、2人の宮司が引退に追い込まれています。神社自身、神職自身

が先祖供養を執り行うのに相応しくないという、残念な実態が明らかになっています。

 足元の覚束ない靖国神社の在り方に拍車をかけるように、2022年4月には日本キリ

スト教協議会・靖国問題委員会が「靖国神社春季例大祭にて、首相・閣僚は参拝及び真榊

奉納をしないでください」とのタイトルで「内閣総理大臣・岸田文雄様」と書いた文書を

発表。「政教分離原則違反を続けている」と問題にしています。

 確かに政教分離は民主主義の在り方を考える上で重要な原則ですが、日本には公明党、

諸外国にはキリスト教を冠する政党があるように、理想と現実を使い分けているのが、本

当のところです。

 問題は宗教が政治の道具になり、国民並びに世界の敵となることであり、多くの宗教が

理想とする世界の平和に役立つ限り、決して政治と対立するものではないからです。

 アメリカの議会で聖書に手を当てて、真実を誓う行為自体、明確な宗教行為ですが、表

向きは政教分離の原則に則っているとされて、いまなお同様の行為が続けられているわけ

です。

「隗より始めよ」とことわざにはあります。キリスト教徒が日本の首相の靖国神社参拝に

異を唱えるのであれば、その前に聖書をキリスト教国の政治から排除するのが筋だと思い

ます。

 しかし「ことなかれ主義」の日本では、残念ながら世界平和の入り口である「鎮霊社」

に火を放たれれば門を閉ざし、中国・韓国ばかりか、キリスト教団体から文句が来れば、

鎮霊社の看板を外し、地図上から抹消することになります。


 返還されない北朝鮮軍人・軍属の遺骨

 不当な扱いをされる鎮霊社を、梨本代表理事は毎月15日の靖国神社参拝の日、本殿に

向かう廊下を通る際に、必ず足を止め、鎮霊社に向かって参拝を続けています。

 コロナ下とあって、靖国神社の参拝も略式のようで、参拝後の御神酒はなく、神饌を手

に靖国神社を後にして、目黒佑天寺へと向かいました。


 目黒佑天寺は「生類哀れみの令」で知られる徳川綱吉の後の6代将軍・家宣から特別、

目をかけられた浄土宗の高僧・佑天上人が開いた将軍家縁のお寺です。

 佑天寺の紹介パンフレットには何の記載もありませんが、その佑天寺に梨本代表理事が

毎月、靖国参拝後に訪ねていくのは、北朝鮮軍人・軍属の戦没者の供養のため、遺骨が祀

られた祭壇・納骨堂にお参りするためです。

 位牌には「太平洋戦争朝鮮半島旧日本軍人軍属戦没者霊位」と記されています。

 彼らは戦争の激化に伴う兵力増強のため、否応なしに召集され、日本軍人軍属として戦

場に駆り出されて命を散らしました。犠牲者は9000人、その内訳は韓国出身者857

5名、北朝鮮出身者425名にのぼります。

 国交のある韓国には身元判明者から随時、帰還事業を推進してきたということですが、

国交のない北朝鮮出身戦没者の遺骨は一体も返されないまま、いまも佑天寺本堂の一隅に

ひっそりと保管されたままなのです。

 その慰霊・鎮魂を天皇家、宮内庁、厚生労働省に代わって続けているのも、梨本代表理

事の重要な仕事です。北朝鮮軍人・軍属の遺骨を返還することなしに、つまり先祖供養を

疎かにして、拉致問題をはじめ日本と北朝鮮との関係が改善されるはずがないからです。

 佑天上人の眠る墓地には、大正天皇御生母・柳原一位局(柳原愛子)之墓もあります。

 普段は荒れたままだったお墓を、少しでも大正天皇御生母に相応しい姿にするため、尽

力してきたのも梨本代表理事の仕事です。

 その日は珍しく花が供えられているので、不思議に思っていたところ、15日は佑天上

人の命日のため、大正天皇御生母の墓などにもお花が供えられていました。せめてもの慰

めです。





 花一つない沖縄返還功労者の墓

 日本復帰記念日を迎えた現地・沖縄では、50年前と同様の大雨が降る中、50周年記

念式典が行われました。

 目黒佑天寺の後は沖縄返還を実現し、ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相の眠る

東京・杉並の浄土真宗・西本願寺墓苑に向かいました。



 佐藤家の墓は、跡継ぎがキリスト教徒のため、ほとんど家族がお参りすることはありま

せん。

 墓碑銘こそ陽明学の安岡正篤が書いた立派なものですが、沖縄返還の記念すべき日に、

家族はおろか自民党議員が誰一人訪れた形跡がありません。

「これが自民党の現実の姿です。先祖供養がなっていない。自民党にしっかりせいと言い

たい」と梨本代表が嘆いていました。

「ウエルネス@タイムス」は「先祖供養は未来への投資!」との考え方とともに、歴史を

現在そして未来の平和へと導くため、常に「良いこと」に目を向け、あらゆる過去の恩讐

を超えて、手を結び合う「和」の重要性をメッセージしています。

 負の遺産をいたずらに責めるのではなく、恩讐を超えて、共に未来へつなげていくため

に、過去を悼むことによって、負の遺産を希望へと昇華させることが必要だからです。


 デカルトの「動物機械説」

「我思う、ゆえに我あり」の言葉で知られる哲学者・数学者のデカルトは、17世紀に物

心二元論を唱え、近代合理主義を打ち立てた人物です。

 近現代科学の礎を築いたとする見方もあるぐらいで、いまなおデカルトの二元論・要素

還元主義は科学の基本的な認識ともなっています。

 そのデカルトは動物機械説を唱えて、人間だけが言葉を用いて、思考する存在だと考え

ていました。動物には心もなく、体を切られても痛みは感じないと信じていたのです。

 その影響は今なお根深く、日本も例外ではありません。例えばネコは人の会話を理解で

きるのかといった研究が大真面目に行われています。

 2022年5月に「家庭で飼われているネコは同居する仲間のネコの名前や顔を理解し

ているようだ」との研究成果を、京都大や麻布大のチームが英科学誌「サイエンティフィ

ックリポーツ」に発表しています。

 研究の結果、どうも人の会話に聞き耳を立てている可能性もあるというのですが、ペッ

トを飼っている者にとっては「何を今さら」という成果でしかありません。

 とはいえ、デカルトの呪縛に囚われている科学者には、ネコが仲間を認識し、人間の話

を理解することの証明が、世紀の大発見になるわけです。



 ネコだって飼い主の恩を忘れない

 先祖供養は基本的に生きているものの特権ですが、ネコにだって亡くなったご主人のお

墓参りぐらいはするという事例を、ネコ探偵が紹介しています。

 元・私立探偵のライター狩谷健太氏が「東京探偵物語」で紹介しています。60代の男

性からの依頼で、40年間連れ添った愛妻が闘病の末に亡くなり、彼女が大事にしていた

雌ネコがいなくなったので、探してほしいというものです。

 ネコ探しのチラシをつくり、ネコのたまり場などを捜索していた数日後、チラシを見た

という人から連絡が入って、目撃場所に向かったところ、何とそこは亡くなった妻のお墓

だったというのです。

 男性によると、確かに納骨の日にネコを連れてきていたということです。

 ネコがご主人の死やお墓をどこまで理解しているかはさておき、無事にネコは依頼者の

もとにもどって、いまも頻繁にお墓参りに行っているということです。

 忠犬ハチ公の話は有名ですが、ネコもまたご主人の死を理解し、恩を忘れないという一

つのエピソードです。それに比べて、人間界はどうなっているのが気になります。

「梨本宮記念財団」梨本代表理事の先祖供養の旅はまだまだ続きます。


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