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 玄米菜食は人類に残された最強の投資!!  「絶対得するビーガン&ベジタリアン」の真実 

 玄米菜食は人類に残された最強の投資!!
  「絶対得するビーガン&ベジタリアン」の真実

 健康な肉体への投資!?


2023年3月『野菜は最強のインベストメントである』(岩崎真宏著/フローラル 出版)という本の広告が「日経新聞」に出ていました。「絶対得するビーガン&ベジタリ アン」の主張そのものじゃないですか?

 そうです。実に、見事な切り口というか、キャッチフレーズです。

 本の帯には「富のすべてはあなたの体と脳が生み出す」「その体と脳を作るのが野菜投 資である!」と書いてあります。


ホントですかね。

 それは、自分で読んで判断してください。

 ただ、実にうまい本づくりだと感心します。基本的に2~4ページの読みやすさ。Q& A方式で、人々の関心に答える手法など、わかりやすいのが特徴です。健康と野菜不足を 考える上で、貴重な指摘もなされています。


例えば、どんなことですか?

 第1章の冒頭「深まる闇・深刻化する野菜不足」には体の不調と野菜不足の関係につい て、「野菜不足による損失」について、指摘しています。「精神不安定、体臭が出やすく なる、肌荒れ、下痢、太りやすい、体力低下、疲れやすい、免疫低下、血管リスクの増加 、生活習慣病、ガンになりやすくなる」です。


そんな大げさな!

 アハハハハ。同様の声が本の中にも出てきます。


エッ?

 それに対する答えが「いや、事実です!」というものです。



 アメリカ人より少ない日本人の野菜摂取量

広告には、著者について「医学研究および病院管理栄養士として生活習慣病治療のた めの基礎・臨床研究を行い国内外での研究発表と受験実績を持つ」と書かれています。そ して「北京五輪銀メダリストの朝原宣治氏をはじめ、医師、管理栄養士とともに一般社団 法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し、栄養に関する指導者・教育者養成と活動支援 を行う。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜や食 糧安全保障などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベ ジタブルテック株式会社を創業」と紹介されているように、なかなかの経歴ですね。


 中には「アメリカ人は肉ばかり食べている」との常識が、すでに時代錯誤の認識だとの 指摘もあります。


どういうことですか。

 アメリカと日本の国民一人当たりの年間野菜消費量を比較したデータによると、198 0年にはアメリカ104キログラムに対して、日本は約120キログラムでした。これが 30年後の2010年には日本の101キログラムに対して、アメリカは113キログラ ムと、逆転しています。

 これがいまだ、ジャンクフードと太りすぎが問題になっているアメリカと、食生活がす っかり西洋化した日本の現実です。アメリカではガンが減り、日本では増えています。


そうですか。野菜不足はわかりましたが、玄米はどうなんですか?

 本の中では脂肪と糖質はエネルギー源として重要だとの指摘はなされていますが、玄米 とか白米、小麦、豆類などは、基本的にスルーされています。


ちょっと意外ですね。

 大豆は出てきますけど、基本的に「野菜」がメインです。そして、最終的な着地点は岩 崎真宏氏が創業したベジタブルテック株式会社が開発した「粉野菜」です。書名の「野菜 は最強のインベストメント(投資)である」の回答として、巻末には「読者特典」の「飲 む粉野菜」を初月半額の特別価格で提供すると書かれています。


なるほど。そういうことですか。

 健康への渇望と肉食への欲望の狭間で、手軽に健康と栄養を手に入れたいというユーザ ーには、手っとり早い方法です。


サプリメントのようなものですか?

 そう思えますが、本には「サプリは野菜の代替品にはあらず」と書かれているように、 粉野菜には、サプリメントにはない野菜の多様な栄養素と食物繊維が含まれているという ことのようですが。




 健康志向とインスタ映え

健康志向の時代に、代替肉や野菜がクローズアップされる一方、実際には多くのメデ ィアや外食の世界で目にするのは、インスタ映えする料理ばかりです。とても、健康志向 には思えません。

 そうですよね。先日、郵便受けに宅配寿司「銀のさら」と一緒に宅配釜飯「釜寅」の立 派なパンフレットが入っていました。寿司のチラシは期間限定の鮮やかで大きなキングサ ーモン、霞が浦産のしらうおが表紙になっていて、いかにも豪華で美味しそうなメニュー が並んでいます。


ベジタリアンメニューはありました?

 いつものことですけど。何か食べられるものはあるかなと見ると、いなり寿司8個(8 60円)と助六(同)、枝豆、味噌汁、細巻、手巻寿司があるぐらいで、ランチなども食 べられるものはないですよ。


そうですか。釜飯はどうですか?

 釜飯はうなぎまぶし、五目釜飯、鮭いくら釜飯、牛すき釜飯が表紙に並んでいました。 普通、日本料理店であれば、きのことか山菜などがあるのですが、わずかに食べられそう なのが、イタリアン風(?)のトマトスープ釜飯「ごろごろ野菜とチーズ釜飯」(108 0円)だけです。あとは、枝豆(320円)にぶっかけうどん(300円)。何とも残念 だというのが実態です。


アハハハハ。安上がりとはいえ、ベジタリアンも大変ですね。

 要するに、時代の流れが健康志向、環境等への配慮へと向かっている一方、現実はなか なか変わらないということです。


 あなたも現代の「食欲人」!?



もう一冊、食関連で目についた広告がサンマーク出版の『食欲人』です。「タンパク 質がムダな食欲をとめる」とあり、タンパク質が少ないと、太るまで食べ続けてしまう」 と書いてありました。

「新版・科学者たちが語る食欲」とタイトルの頭に冠した『食欲人』は、オーストラリア の2人の科学者が書いた本の翻訳です。もともとは2021年1月、『科学者たちが語る 食欲』を加筆・再編集したものです。


そうなんですか。タイトルが絶妙ですね。

 本の帯には「タンパク質欲しさにあなたは『ペンキ』まで食べる!?」と書いてありま す。


石油タンパクですか?

 いわゆる石油タンパクは、1960年代に石油由来のパラフィンを微生物で分解して開 発したタンパク質ですが、当時、製造中止になっています。


というと、ペンキというのは?

 要はペンキやシャンプー、アイスクリーム、チョコレートなどは、同じ工業製品であり 原料や製造工程の多くが共通しているというわけです。中には「プラスチック、殺虫剤 、除光液と同じ成分を食べている」といったショッキングな見出しもあります。


エーッ!

 それが現代の破滅的な食環境というわけです。


われわれ現代人の食欲のなせる技ということですか。

 最近、昆虫食が話題になっていますが、帯の裏側には「人類が正しい食欲を取り戻すに は ? 『バッタ』からその答えを探す旅を始めよう」と書かれています。その結果、バッ

タはタンパク質の摂取量が足りない間、食べ続けることがわかったのだという。つまり、 タンパク質欲が満たされるまで、食欲は止まらないというのです。


じゃあ、どうしたらいいんですか?

 それは、第14章「教訓」(正しい知識で食べる)に書かれていますが、納得できるか どうかは、本を読んで下さいというしかありません。

 ただ「動物のように食べる」というのは、正解です。


エッ、ちょっとわかりにくいんですが。

 動物は正しい本能通り、つまりは人間のように地球の持続可能性を損なうような食べ方 はしていないということです。


うーん。

 もちろん、答えがないわけではありません。みなさん、自分の都合等を持ち出して、や ろうとしないだけのことです。


どういうことですか?



 インベストメントとしての玄米菜食

「絶対得するビーガン&ベジタリアン」のテーマが、いわば食欲=肉食の誘惑に支配され た「食欲人」からの脱却です。

 欧米型のビーガン&ベジタリアンの弱点の一つは、玄米・玄麦などの精白していない穀 物および豆類などのタンパク質が不足しがちな点だと思います。

 その意味では、野菜が「最強のインベストメントである」以上に、玄米菜食こそが、最 強のインベストメントだということです。

 玄米の効果を研究している琉球大学医学部の益崎裕章教授が、玄米成分(γ-オリザノ ール)が脳に働くことで、食の好みを変えること。脂っこいものを欲しくなくなり、幸福 ・満足を感じる脳になる効果があるということを証明しています。

 琉球大学病院の病院食は玄米菜食ですが、同様に、長年、玄米菜食を実践している医師 は少なくありません。肥満・糖尿病などの生活習慣病関係には玄米菜食が効果的だという ことは、医学会でもかなり知られてきています。

 その意味でも、野菜以上に玄米菜食こそか、最強のインベストメントというわけです。


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