世界を目指す天然ミネラル農法の「ジョイントファーム」とは? 40代での農業チャレンジ! ウエルネス情報
- vegita974
- 2025年9月5日
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更新日:2025年9月5日
世界を目指す天然ミネラル農法の「ジョイントファーム」とは?
40代での農業チャレンジ! ウエルネス情報

食べられる景観・道?
「食べられる景観」(エディブル・ランドスケープ)なる景観づくりの手法があると知ったのは、2024年9月の「日経新聞」文化欄で、江口亜維子氏(千葉大学特任研究員)が「『食べられる道』がつくる景観」について書いていたからである。
「米国発祥の思想を応用、道沿いで野菜やハーブを育て人々をつなぐ」と見出しにある。「空き地や運河沿いなどの町中に野菜や果物、ハーブといった『食べられる』植物が植えられていて、誰でも食べてよい」のだとか。もともとは1970年代の環境問題や食の安全への関心の高まりが背景になっている。
「食べられる景観」「食べられる道」とは果樹や野菜、ハーブなど食べられる植物で構成された景観を指す。1980年代の米国での発祥と、そんなに古い話ではない。
日本での実現可能な形を模索し、江口氏は2016年から千葉県松戸市での実践に取り組んでいる。約1キロの道沿いに店舗や住宅など70軒あまりが参加しているとか。
「エディブルウェイ」と名付けられ、2017年にはグッドデザイン賞を受賞した。他地域への広がりも見られる。
2024年度からは松戸市との連携が進んで、その取り組みは歩道にも広がったとか。
まだ見たことはないが、景観以上に、花でも見るように、その心の美しさが、たぶん感じられるのではないだろうか。
「食べられる景観」から連想するのは、昔、誰かが言っていた「食」の美味しさは、その土地・地域を見ればわかると話していたことだ。例えば、米どころ新潟平野に広がる水田・田畑は山を背景にして、豊かな水や自然とともに、そこで取れるお米や作物の美味しさを、有無を言わさぬ力で教えている。
と、そんなことを考えたのは、2025年7月、新潟県南蒲原郡田上町の「ジョイントファーム株式会社」(大野秀恩代表取締役・大野敦子専務取締役)を訪ねてきたためだ。

食の属国・日本の農業
「みずほの国」とは日本の美称である。その「みずほ」から成る米を粗末にしてきた結果の令和の米騒動である。
新米の出始めた今も続いている。騒動の渦中「衰退する米」「二重基準で世界を攪乱する米」、あるいは「米に期待!」「米離れ」と言った話題がネットで報じられてきた。
こちらは米作りではなく、トランプ政権下の大国アメリカのことだが、同盟国ニッポンも例外ではない。
令和の米騒動自体が、お米の置かれた冷酷な現実から生まれている。その米騒動は政治との兼ね合いもあって、収まる気配がない。それは日本の農業の置かれた現実が「食の属国・日本」そのものだからである。

鈴木宣弘氏(東大大学院生命科学化特任教授)の著書『食の属国・日本』(三和書籍)も、よく売れているようで、帯には「食を守ることこそ真の国防」と書かれている。
「属国」の表現が大げさではないのは、食料自給率を見れば、一目瞭然だ。戦後、米国の敷いたレールによって、日本を米国の余剰生産物の処分場にすることこそ、今日までの日本の農業の在り方だったからである。
典型的な例として、今なお語り継がれているのが、余った米国産小麦を大量に売るために「コメを食べるとバカになる」との内容が書かれた本の出版である。林髞著『頭脳-才能を引き出す処方箋』(光文社)の社会的な影響力は凄まじく、まさに社会現象となっている。今日の白米食蔑視、否定論の大元である。
農薬、化学肥料なども似たような仕組みであり、すべてが「属国」としての支配、つまりは「日本の弱体化」のためであると考えると、辻褄が合う。
同時に、そうした世の中全体の流れからわかることは、戦後80年、属国としての関係も限界を迎えて、遅ればせながら「食の革命」が、いろんな意味で進行している時代になっているということだろう。
そんな中、孤軍奮闘してきた一人が、今回訪ねた「ジョイントファーム」である。
「このお米は、神様からいただいたお米だと思っています」と、敦子専務は語っている。
大野秀恩代表は、日本のちょっと荒っぽい神「須佐之男命」の代わりに米づくりを行っている(?)ということのようだ。

動物性堆肥を使わない!
縁とは不思議なものだが「神さまからいただいたお米」とは、どういうことなのか。
思うに、一つは農業は宮澤賢治が用いているように「農芸」、つまりは農業はアートである。その作業としての米づくりは、そのまま神に関わるということだ。
神の意に添う限り、正しく導かれる。意に添わなければ、出直すしかない。
今回、ジョイントファームの大野秀恩・敦子夫妻を訪ねたのは、仙台在住のマクロビオティック指導者・美上みつ子さんから「一度訪ねてみては」と言われていたためである。
その日、ご主人の手料理をサカナに美味しいお酒を飲みながら、聞いた話の中で一番驚いたことは、玄米特有のニオイについての指摘であった。
多少の玄米特有のニオイについては、当たり前に考えていたが、大野夫妻宅で食べた玄米にはいわゆる玄米臭はない。理由は動物性の堆肥を使わず、おからや紅茶の搾りかすなどからつくった植物性の完熟堆肥と天然ミネラル原液のみを使ってお米を育てているからだ。「大野式農法」として特許になっている。
「玄米特有のニオイはニワトリやウシ、ブタなど、動物性の堆肥を使うからです」との大野代表の指摘に、思わず目が点になった。
ジョイントファームでは「完全栄養食」として焙煎米ぬか粉をパック詰めにして、商品化している。超微粉末化・アルファ化していて、水にも溶け手軽に摂取しやすくなっている。
「これ、食べてみて下さい」と、ご主人が小さじ一杯を手のひらに載せてくれた。
口に入れると「すごく甘い!」。味わっていると、苦みも感じられる。そんなに甘いとは思わなかったので、砂糖を入れたきな粉のような甘さはちょっとした驚きであった。
その昔、マクロビオティックのセミナーで出てきたデザートが、砂糖の代わりに米麹を使っていると言われて、そのあまりの甘さにビックリしたことがあった。お米の持つ不思議なパワー、可能性というしかない。
そんなお米の力を世界に知らせることこそ、ジョイントファームの重要な使命ということになる。

ビストロスマップで使われた米
もともと「ウエルネス@タイムス」は、食に関しては「マクロビオティック」を推奨。
ビーガン&ベジタリアンを基本にしている。
マクロビオティックは英語ではマクロ+バイオティックのことであり、大きな(宇宙的な)生き方(生物工学)ということである。単なる健康法と化している現実があるとはいえ、実は生き方の問題である。宇宙的意思、つまりは神と親和性がある理由である。
聞きかじりの知識では「ジョイントファーム」の歩みは、ベンチャー精神+マクロビオティックとの融合がポイントではないのかとの印象がある。
1947年に新潟に生まれた大野代表はその後、上京。30歳のとき「マルダイ家具」(総桐タンス和洋家具販売業)を設立した。一応の成功の後、40代で農業への転身を図り、家族で現在地に移住した。
新天地での新たなチャレンジと、その後の取り組みは、そのまま「和」のベンチャーの歩みそのものである。
結果、できあがった「源泉米」ブランドで知られる玄米は、無農薬・有機栽培は当然だが、テレビ番組「SMAP×SMAP」内の料理対決「ビストロスマップ」で使われていた。デパ地下、高級スーパーなどでも人気になっている。
だが、人生はどう転がるかわからない。ビストロスマップに罪はないが、ジャニーズ事件をはじめ、中居正広問題もあって、SMAPなどはいまや黒歴史、汚点になりそうな時代である。
そんな意外なエピソードを含めて、ジョイントファームは興味深い対象である。
しかも、設立当初からジョイントファームの目標は「お米の世界での販売」であった。「言う度に笑われた」そうだが、すでに2019年に「源泉米」のニューヨークへの輸出がスタート。その流れから、さまざまな有機認証がある中で、もっとも厳しいとされるユダヤ認証(コーシャ)を取得。いまではシンガポール・香港・台湾などに輸出するまでになっている。
同時に、家族で始めた米づくりは、世界を視野に入れれば、やるべきことは賛同者・仲間を増やしていくことである。すでに近隣農家、宮城県などでの展開が進んでいて、ジョイントファームの「源泉米」をはじめとした商品づくりも、いまでは新たな同志を得るための啓蒙・指導が中心になっているようだ。
「世界で」という創業時から掲げられていた目標は、扱う商品がお米であり、農芸=アート作品である。その意味では、マクロビオティックでいうところの陰陽のバランス=「和(日本)」の精神文化を世界に広げていく愛と平和の事業ということである。
なお、ジョイントファームについては、以上をプロローグとして、後日、改めて取材を
した上で、取り上げる予定である。




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