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新潟水俣病は虚構である!? フォトギャラリー11 「環境と人間のふれあい館」を訪ねていく

更新日:2023年3月2日


 新潟水俣病は虚構である!?
 フォトギャラリー11 「環境と人間のふれあい館」を訪ねていく



 写真

1.新潟県立「環境と人間のふれあい館」

2.館内の展示の様子

3.本『新潟水俣病は虚構である』

4.水の駅「ビュー福島潟」

5.秋の福島潟





 2022年の一世帯当たりラーメン消費量が日本一だった新潟が、2023年2月、山

形県に抜かれたとニュースになっていました。しかし、新潟と言えば、何といっても米ど

ころであり、お米がおいしいことと、日本酒の消費量が日本一であることです。

 一方、社会的な問題では、全国に知られていることの一つは、熊本に続く第二水俣病で

はないでしょうか。新潟では、いまも水俣病に関する話題がニュースになります。

 2023年2月にも「新潟日報」紙に「水俣病学び訓練共有」の見出しで、五泉市と熊

本の小学校によるオンライン授業の様子が記事になっています。

 そこには「阿賀町の昭和電工(現レゾナック・ホールディングス)鹿瀬工場から有機水

銀が流れ、汚染された川魚を食べた人が水俣病を患ったと説明。見た目では症状が分かり

にくい患者もおり『差別や偏見を持たれることも多かった』と語った」とあります。

 2022年11月、福島潟にある「環境と人間のふれあい館」(新潟水俣病資料館)を

訪ねてきました。入場無料ですが、中は予想していたよりも、はるかに充実した展示内容

で、ビックリしました。

 熊本の水俣同様の症状に悩まされる被害者、度重なる裁判、関連した環境闘争などの歴

史と資料が展示されています。阿賀野川流域の漁労の様子、生き物など、実際に使われた

木船や漁網の他、各種道具なども展示されています。豊かな生活文化が伝統的に地域に根

づいていたことがわかります。

 図書室には新潟水俣病だけではない、環境関連資料が集められていました。悲劇はいつ

くもの文芸作品を生んでいることもわかります。熊本では石牟礼道子の「苦海浄土」が有

名ですが、図書室には“新潟の石牟礼道子”の女流作家の作品も並んでいます。

 昭和電工の工場廃液が原因という新潟水俣病ですが、2020年11月『新潟水俣病は

虚構である』(田中清松著・幻冬舎ルネッサンス新書)という本が出版されています。

 著者は冤罪である理由として、水俣と新潟では水銀の濃度にケタ違いの差があること。

ヘドロの海と言われた水俣に対して、阿賀野川の水はきれいであったことなど、その結論

が新潟水俣病は農薬が原因というもので、特に阿賀野川近く(船江町)に埋設処理された

農薬が、新潟地震で流れだしたためとしています。

 一見、合理的で、説得力があるようにも思えます。そのため、新潟水俣病裁判及び地域

を描いた記録映画「阿賀に生きる」に深く関わった知人に、改めて話を聞きにいったとこ

ろ、開口一番「インチキ本です」ということであった。

 農薬は確かに有毒ですが、農薬の水銀では水俣病にはならないそうで、工場廃液とは同

じ水銀でも質がちがうことから、すでに決着がついた問題だとか。いまさら「虚構」とす

る本が出たことに、逆に驚いていました。

 何事も実際に確かめてみないと、フェイクニュースに振り回されるばかりです。



 掲載写真について

「環境と人間のふれあい館」館内の展示は1階と2階にわかれ、阿賀野川の魚や近隣の貧

しくとも自然豊かな生活文化が感じられる内容になっています。もちろん、目を引くのは

そんな地域に突如として起こった新潟水俣病被害そして環境闘争、裁判の様子です。

 県立の同記念館はユニークな外観の水の駅「ビュー福島潟」と雁かけ橋を隔てた向かい

側にあります。ビュー福島潟は地下1階、7階建ての全面ガラス張りで、360度の展望

が自慢です。こちらは、4階以上は有料(大人400円)です。

 秋の福島潟は、ちょうど花の終わったころで侘しさもありますが、いつ来ても自然豊か

な自然の宝庫です。ちょっと散策すれば、無料の休憩交流施設「潟来亭」、自然学習園、

キャンプ場など、いろんな楽しみ方があるのがわかります。

(次回は、魚沼市堀之内にある「宮柊二記念館」)




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