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畳一枚でできる健康法を推進する「真向法協会」への提案  21世紀のジャポニズム「Sin真向法」へのアップデートを!?

更新日:11月4日

畳一枚でできる健康法を推進する「真向法協会」への提案

 21世紀のジャポニズム「Sin真向法」へのアップデートを!?


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 畳一枚で出来る健康法

 世の中には多くの健康法があります。しかも、次から次へと新たな健康法が誕生している印象があります。スポーツジム、フィットネス・アスレチッククラブなど、今日ではお金がかかる健康法が主流です。そんな中、実は畳一枚分のスペースで出来る、手軽な健康法が真向法です。

 最近、あまり目にする機会がないようですが、筆者の手元には古い「真向法」の本が2冊あります。

 一冊がズバリ『真向法』(真向法体操普及会著/朝日ソノラマ)で「3分間でできる健康体操」と表紙に書かれています。

 もう一冊が『究極の真向法』(加茂真澄著/祥伝社)で「一日五分一日爽快 体と心の健康法」というものです。こちらの著者は同会の副理事長の肩書です。

 筆者が、いわゆる真向法について知ったのは、40年以上前のことです。政財界の重鎮のみなさんが元気なことから、その秘訣を教えられたのが最初です。

 老化には様々な現象がありますが、肉体的には成長期とは異なる機能の低下です。もっともわかりやすい指標は、体が硬くなることです。逆に言えば、生まれたばかりの赤ちゃんは、軟体動物(?)のようで、抱っこするのにもコツがいる感じです。

 そんな体の柔らかさが、気がつけば、前屈姿勢で手を伸ばしても、下に指がつかなくなり、180度の開脚などできるわけがないというようになっていきます。体がそれだけ硬くなったためで、老化の結果です。

 真向法はそんな硬くなった体を柔らかくする畳一枚のスペースでできる健康法です。真向法のまねごとをしてきた筆者でも、180度とまでは行かなくても、十分開脚出来るようになっています。

 本によれば真向法の基本理念は「人間にとってもっとも自然な姿勢に還る」という点にあります。簡単に言えば、真向法とは「人間が永い間の習慣で身についた、歪めてしまった悪い姿勢を、人間本来の正しい状態に戻してやる運動」ということです。


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 真向法の4つの体操

 真向法は4つの体操からなる健康法です。

「親子で始めてみませんか?」と副題にある「真向法体操」のチラシには「内閣府認定」

の文字とともに第1から第4までの体操のイラストが掲載されています。

 第1体操は「正しい座りは、赤ちゃん座り」(あしの外側伸ばし)、第2体操は「脚の背面伸ばし、姿勢を美しく」(あしの後ろ側伸ばし)、第3体操は「屈伸自在の柔軟な肝腎腰」(あしの内側伸ばし)、第4体操は「ゆったり伸ばして深呼吸」(あしの前側伸ばし)」です。

 第1体操の赤ちゃん座りは「楽座」と言って、おひなさまの座り方でもあります。本来自然で楽な座り方なのですが、畳よりは椅子に慣れた現代人には、一般的に折った両膝が浮き上がってしまいます。

 第2体操は武道などの立礼「礼に始まり礼に終わる」の挨拶を座ってやるものです。

 第3体操は、相撲の股割りなどに見る開脚運動です。180度開いて、腰から体を折り曲げてアゴが床につくのが最終型です。

 第4体操は、正座の脚を左右に崩して、いわゆる「割り座」の姿勢から、そのまま体を後ろに倒していって、肩を床につけてバンザイをするポーズです。

 と、簡単なように書いていますが、どの体操も使っていない、収縮した筋肉が無理をすれば切れそうで痛くなります。無理は禁物です。

 もともと、老化の始まりは、すでに指摘しているように、体が硬くなることです。

 筋肉は使わないと硬くなります。かといって、逆に使いすぎても、収縮します。何事も無理をせず、ほどほどにが重要なようです。


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 真向法の健体康心とは

 2025年10月、最近の真向法の状況はどんなものかと、東京の渋谷・南平台にある公益社団法人「真向法協会」の佐藤康彦会長を訪ねてきました。

 真向法のホームページには「日本生まれの健康作法」とあります。

 日本生まれだけに「春夏秋冬」四季がある日本で生まれた四つの動作からなる真向法体操と書いてあります。

 もともと、真向法は創始者の長井津(わたる)初代会長が42歳の働き盛りのとき、脳溢血で倒れて、左半身不随の体になったことから、考案されたものです。

 長井会長は福井のお寺(勝鬘寺)の5男です。長い療養生活の中で、仏教の経典「勝鬘経」を読みながら、釈尊に対して座ってするお辞儀と立ってするお辞儀をヒントに、健康体操・真向法を考案しました。

 いまで言えば、長い療養生活の中でのリハビリですが、創始者は第1体操と第2体操で半身付随の悪条件を克服、ついに健康な心身を取り戻しました。

 ウソではありませんが、佐藤会長は「その2つの動作で体を良くしようとは思わなかったんじゃないか。体を良くしようと思ったら、たぶん続かなかったと思います。先生は生かされたことに対して、感謝の気持ちで第1、第2体操に向き合ったんだと、そんなふうに思います」と、感謝の思いを強調していました。

 確かに、様々な健康法がありますが、病気が治って健康になって「得した!」と思うと間違えることが良くあります。欲念を捨てて、感謝の気持ちを持って、何事にも向き合えば、きっといいことがあると思えてきます。

 佐藤会長は真向法の4つの体操の特徴について、第1体操は感謝、第2体操は反省、第3体操は寛容、第4体操は自由だと話していました。

 そのためでしょうか。真向法では、よく単なる健康ではなく「健体康心」という言葉を使うということです。

「礼に始まり、礼に終わる」。それが真向法による「健体康心」です。

 これは健康という単語が、現在では体のことのみを指して使われがちなことを憂えて、長井会長が発案した用語です。なるほど。

 健やかな体にこそ、康らかな心が宿ります。その出発点が美しい姿勢にあるわけです。

 結果、真向法を続けていけば「童心・童顔・童體」という老化とは真逆の境地に至るというわけです。

 本当でしょうか?

 もちろん、真向法に限らず、何事も人それぞれです。

 佐藤康彦会長によれば、真向法の初代会長は「真向法は絶対ではない」と話をしていたそうです。「他の健康法も絶対ではない、いいものはたくさんある」と言って「だから真向法を中心に、どんどんいいものを探して自分のものにしなさい」と話していました。

 確かに「これだけ、自分の信じるものが絶対!」というと、まちがいが生じてきます。

 とはいえ、92年続く真向法ですから、本の末尾には健康になった、病気が治ったといった体験者の声が「真向法体操体験記」や「付/真向法で不治の病から蘇った」として掲載されています。


 第50回真向法研修全国大会

 現在の佐藤康彦会長は宮城県出身で、先々代・佐藤良彦会長の甥に当たります。1970年、大阪万博が開かれた年に、宮城から大阪に行く途中、東京にいた叔父に電話をして帰りに見学に行ったのが、真向法との出会いということです。

 以来、真向法協会の運営にかかわってきました。

 佐藤会長は初代会長の跡を継いだ子息の洞(はるか)会長夫妻と初代会長夫人(母親)の4人で、10年の間、南平台で暮らしていました。その間に、2代目会長のカバン持ちをしながら、いろいろな話を聞いたそうです。

 その年の5月に入会して、最初の仕事が以前の真向法協会の完成披露ということです。

 陽明学の安岡正篤氏、指圧の浪越徳治郎氏、初代会長・長井津氏の兄である仏教学者・長井真琴氏の3人が主賓でした。佐藤会長は「その3人の堂々とした姿が、いまも印象に残っている」と語っていました。

 いわば、当時が真向法の最盛期ということができるのかもしれません。

 とはいえ、最近でも例えば10月に九州・熊本で開催された「第50回真向法研修全国大会」には、熊本県知事時代から真向法の愛好家として知られる細川護熙氏が、来賓祝辞を述べています。

 政界では、小泉純一郎元首相から勧められて、安倍晋三元首相も真向法をやっていたということで、いまなお、それなりの影響力を持っているようです。

 事実、長い歴史と熱心な会員を抱えて、いまも全国に150カ所以上の支部と約600カ所の教室があります。多くの芸事などと同様、初級から十段までの段位があります。

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 保育園での真向法体操

 協会としての課題は、たぶん今日、真向法が多くの派手な健康法がある中に埋もれがちなことです。

 スポーツジムなどとちがって「畳一枚の広さがあればいい」という、お金もかからない安上がりな健康法です。何ごともおカネの時代には、かえって有り難みが感じられないということでしょうか。

 初代会長は真向法協会が「法人」としての組織になるのが好きじゃなかったそうです。

とはいえ、会員が増えれば、それも仕方がないことです。真向法を学ぶ生徒は全員「さんづけ」で呼んでいたという初代会長にとっては、みんな仲間・同志だということです。

 真向法協会のチラシにも、真向法を幼児教育に取り入れている茨城県下妻市の「大宝保育園」が掲載されています。毎日、朝に行う運動の一環として真向法が実践されているとのことです。

 真向法を取り入れている保育園は山口県にもあるとのことで、興味深い試みです。

 みんな学ぶ同志という初代会長は「モノを売ってはダメだ」と言っていたそうです。

 佐藤会長は「真向法協会で健康食品つくって売ったら儲かりますよね。もし、儲かると思ったら、そこを抜けて自分でやりだしますよね。『モノを売ってはダメだ』という初代の言葉を守ったから、私は現在があるんじゃないかと思います」と語っています。

 そのため、真向法協会で売っているのは、体操用に必要な本とTシャツぐらいなものです。

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 ヨガを加えた「新・真向法」

 今回、筆者が真向法協会を訪ねたのは、21世紀も四半世紀過ぎた今日、そろそろ真向法にもアップデート、バージョンアップが必要なのではないのかと、そんな思いもあってのことです。

 筆者の場合、忘れがちとはいえ、自宅では就寝前の、いわば儀式として布団の上で、勝手に自己流「真向法」をやってきました。

 最終的にはぎっくり腰を真向法の第4体操で治すことができて、改めて真向法とは「体を本来の正しい状態に戻す運動である」ことを身をもって実感したわけです。

 とはいえ、改めて本を見ると、いつの間にか、体操の順序が間違っていました。筆者の場合は、最初に第二体操から始まります。胡座でもかいているように見える(?)第二体操よりは、第一体操のほうがいいとの思いがあってのことだと思います。

 いつもは、第二体操から第一、そしてまた第二体操から第一体操を行うという具合で、実にいい加減です。

 もっとも、佐藤会長も「真向法体操の順番を変えてもいいです」と話しているとのことでした。始めから辛くて、痛い体操では続くものも続かなくなるためです。もちろん、基本的な型を身につけてから、自分なりのやり方を見つけていくというのが基本です。

 そんな筆者の「新・真向法」のもっとも大きな特徴は、真向法の第四体操の前にヨガの肩立ちのポーズから上げた両脚をゆっくり頭の後ろに倒していく鋤のポーズを入れていることです。

 それが筆者にとっての第四体操になっていて、最後の第五体操が真向法の第四体操である正座(割り座)から体を後ろに逸らせて、そのまま就寝体制になるという一連のスタイルです。

 真向法は畳一枚で4種類の体操が十分可能だというのが基本ですが、例外はどこにでもあります。4つの体操の他に、ヨガの要素を取り入れることで、指導法としても、より世界的になるはずです。

 新・真向法の命名は、近年の流行りのシン(Sin)ゴジラなどの「シン」から取りました。縦横の二次元に上方への三次元を交えることによって、真向法をする時間を加えれば、世の中と同じ四次元の世界になるためです。


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 「健体康心」の基本

 以上、余計なお世話ですが、数年後に創設100周年を控える真向法協会に、より合理的な「新・真向法」を提案したいと考えて、訪ねていった次第です。

「新・真向法協会」として、新たな展開を図れば、少しは従来の健康法のアップデート・イノベーションにつながるのではないかと思うからです。

 もちろん、健体康心のベースにあるのは、筆者の場合、マクロビオティックないしはビーガン&ベジタリアン(玄米菜食)です。この場合の菜とは、要するに総菜(惣菜)の菜のことです。惣という字は、物と心でできています。

 玄米菜食は、ヨガなどとも相性がいいことで知られています。

 そして、新・真向法を始める前に、実はやることとして、電磁波による害から体と脳を守るためのアーシングと散歩の重要性です。

 あるいは『νG7量子水』(ヒカルランド)の本になっている水の重要性もベースにあります。結果、40年以上、薬も飲まず、歯科医院を除いて健康保険は使ったことがありません。

 そんな健康づくりの一つに、新・真向法は、実に真っ当な健康法だと実感しています。

 
 
 

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