童謡詩人・金子みすずの故郷「仙崎」に行ってきた フォトギャラリー そこは地域ぐるみで「みすず」をわがモノにしていた!?
- vegita974
- 18 時間前
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童謡詩人・金子みすずの故郷「仙崎」に行ってきた フォトギャラリー そこは地域ぐるみで「みすず」をわがモノにしていた!?

世間一般の、いわゆる“金子みすず体験”の多くは、2011年3月11日の東日本大震災・福島原発事故後、テレビからコマーシャルが消えて、代わりに流されたACジャパンのCM(公共広告)の一つに「みんなちがって、みんないい」という彼女の詩「私と小鳥と鈴と」の最後の一節が繰り返し流されていた、その作者として、その名前と詩とを知ったことだと思います。
近年、脚光を浴びることになった童謡詩人・金子みすずには、人それぞれの「私の金子みすず」という思いがあるようです。「金子みすず記念館」のパンフレットにも「だれの心のなかにもみすずさんはいます」と書かれています。
ある金子みすずの研究者が言っていました。彼女が死の前日、1930年3月9日、写真館に行って撮った写真は、昭和初期の写真館で撮った肖像写真に共通する要素・印象として、彼女の写真の雰囲気を「自分の母親に似ている」と感じて、特に男性は特別の感情を抱くとの指摘です。なるほど。
その点、女性研究者には望まない結婚によって、性病を移された夫との間に生まれた娘がありながら、死の前日に写真館に行く女心を、母性とは異なるモノとして見る冷静さがあります。
そんな彼女ですが、ベジタリアンの筆者にも、人とは異なる強烈な金子みすず体験があります。最初に読んだ彼女の詩は「大漁」です。その最後は「浜は祭りのようだけど、海のなかでは何万の鰮(いわし)のとむらいするだろう」で終わります。以来、筆者にとって、彼女は詩人・宮沢賢治とともに、特別な詩人となったわけです。

仙崎への旅路と俵山温泉
2026年4月9日午後、一度は訪ねてみたいと思っていた彼女の生まれ故郷・仙崎を目指して、長門市駅に13時44分に着きました。仙崎のホテルは数も少なく連泊できないため、その日は駅からバスで1時間ほどの俵山温泉に行きました。
古くからある温泉街で、ずらっと並んだ旅館に内湯はなく、タオルなどを持って近くの「町の湯」を利用します。もう一つが、比較的新しくできた「白猿の湯」です。伝統ある湯治場だけに、なかなかいいお湯のようで、すっかり疲れが取れました。

金子みすず記念館と、昇華された思い
翌10日、バスで仙崎港にある「センザキッチン」(道の駅)まで行って、そこから散歩がてら「金子みすず記念館」を目指しました。記念館には、午前中でもそこそこ人が訪れていて、根強い人気だとわかります。
意外だったのは、彼女が死の前日、写真館で写真を撮ったときに着ていた衣装のレプリカ(複製品)です。それはかつて実物を銀座「松屋」で見て、思わず慟哭しそうになるほど、筆者が胸を揺さぶられた着物のレプリカです。いまはずいぶんきれいな淡いブルーになっていて、何のエネルギーも感じません。彼女が亡くなり、生家の部屋を再現して、多くの人が訪れるようになり、時を経てすでに静かな思いになったということでしょうか。
優しい彼女には過酷な現世の日々は辛く厳しすぎたようで、好きな読書も詩作も強制的に奪われた環境から逃れて、いまは彼女の思いも昇華されたということなら、まだ救われます。しかし、世界は相変わらず、それが当たり前であるかのように人殺し=戦争に明け暮れています。昇華したと思ったのは、もしかしたら、ただ歌い、嘆き、夢見ることに疲れただけなのかもしれない、そんなようにも思われます。
地域に生き続けるみすずの詩
仙崎の町を散策ついでに、八坂神社にお参りして、みすず通りなどを行くと、小さな港町はどこもかしこも「みすず」だらけです。あちらこちらの家の軒先にも絵馬か何かのように、絵の描かれた板などに、みすずの詩が書かれています。彼女の歌にある思い、メッセージを仙崎の人々が受け継ぎながら、地域ぐるみで金子みすずを自分たちのものにしているのです。
掲載写真について
金子みすずは1903年(明治36年)4月11日に生まれて、26年後の3月10日に満26歳の生涯を閉じました。その95年後の4月10日、仙崎の金子みすず記念館を訪れたついでに「花を買ってお墓参りをしよう」と考えた、その日が月命日で、翌日が彼女の誕生日だと知らされるのですから、不思議なものです。
記念館を出た後、お寺の方向に歩いていくと、やがて遍照寺に着きました。もっと遠いと思っていたのでやや呆気ない感じです。みすずファンが訪れる場所なので、花がたくさんあるのかと思ったものの、意外にもしきみの他には何もありません。
翌日朝、ホテルに荷物を置いて、青海大橋行きのバスで仙崎漁協前で降りました。ただ一つある花屋は留守のようで出て来ないため、前日見かけたスーパー風の店のほうに少しもどると、手前に市場があって花が置いてありました。菊の花束(2つで760円)を求めて、形ばかりのお参りをして、帰路に着きました。





































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